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競合店調査・通行量調査

2023.10.23
競合店調査・通行量調査

私の業務の一つに、融資を受けたいお客様の事業計画書作成サポートがあります。

公庫もしくは県が定めた創業融資用の書式をベースに作成しているのですが、この書式は必要最低限の情報をまとめた簡易的なものなので、ちょっと物足りないです。

そんな時は補足資料として、下記資料を添付しています。

・収支計画(詳細版)
・資金繰り表
・人員計画
・競合店調査
・ポジショニングマップ
・SWOT分析
・通行量調査

今回の記事では、補足資料としてたまに使う【競合店調査・通行量調査】について説明します(^_^)/

競合店調査とは

競合店調査とは、近隣店舗や自社がライバルだと思っている店舗を調査・分析することです。

新規開業を希望している方の話を聞くと、自分のやりたい事に対する熱意はあるのですが、視野が狭くなって近隣店舗やライバル店を調査・分析することを忘れている方がたま~にいらっしゃいます。

また、「自分の商品(サービス)は、これまでにない物なのでライバルはいません」と言われる方もごく稀にいますが、これは危険です。

私個人の意見ですが、出資を受けるための事業計画書と融資を受けるための事業計画書は全く別物だと思います。

融資を受ける事業計画書では、きちんと説明しないと「今までにない」=「市場がない」と見られる可能性があり、競合先がいないといった発言も十分に分析できていない人といった印象を持たれてしまう恐れがあります。

商品(サービス)が違っていても、「○○店のような店舗を目指しています」など、競合店・参照店を持つこと。そしてその店舗を分析することが重要です。

商品(サービス)の価格帯がいくらで、来店客は一日当たりどれくらい来ているのか、そういったデータを参考に自店の収支計画を作っていきます。

実際、経営者であれば資金調達の時以外でも競合店調査は行っていますよね??

「あのお店のサービス良かったな」、「あの商品POPは見やすくて良かったな」など。

ライバル店がどういう取り組みをしているのか、良い事例に関してはTTP(徹底的にパクる)しましょう!

通行量調査とは

店舗前をどれだけの人が通るのか、テナントビルであれば出店予定のビルにどれだけの人が訪れているか、居抜物件(営業中)であれば現時点でどれだけ集客できているのかを調べることです。

来店客数に関しては、最近ではレジシステムから自動で抽出できる場合もあります。

私がサポートしているお客様の中には、まだアナログ対応で伝票会計を行っている店舗もありますが、来店客数を把握することは大事なことなのできちんと記録しましょう。

通行量調査がなぜ必要か。

事業計画書を金融機関に提示した際に、「本当に計画通りに客が集まるのか?」という点は審査での重要ポイントでもあります。

設定した来店客数(売上目標)があまりにも現実からかけ離れていたら、融資は断られるでしょう。

しかし金融機関の職員も、言うてしまえばただのサラリーマンです。

異動で各店舗を転々とするので、その地域の特性などそこまで理解していない人もいます。

理解がないまま、ただ単に「人里離れた場所にあるから…」といった理由で平気で断ってくることも起こり得ます。
(これって本当に担当者の肌感覚です^^;)

正確に通行量などのバックデータがあるわけではなく、「あそこって人来なくない?」といった感じで決めることもあるので、実際のデータをこちらから示すことで計画書の信頼度が増します。

最近はSNSをうまく活用して、人通りがあまりない場所でもバズって集客に成功している店舗もあります。金融機関の職員も、そういった点を踏まえて知識をアップデートしてほしいですね。
(頭が凝り固まった銀行マンには、その流行が10年(融資期間)以上続くのか?って言われそうですが笑)

最近TikTokで『廃墟ホテルを100日でリフォームして人気ホテルに』みたいな動画もあったりして、立地にハンデがあっても戦略次第では集客できるんだと、個人的に気になっています。

競合店調査・通行量調査の活用事例

各調査について長々と説明しましたが、実際の活用例もご紹介します。

業種は飲食業。最近よくある、居抜物件を買い取って新規創業したいといったケースのお客様でした。

今回のケースは自己資金が少なかったため、審査目線が厳しくなるのではと思っていた案件です。

ですので、事業計画書を補足するために競合店調査や通行量調査を加えて、きちんと計画を作っているアピールをするという作戦で挑みました^^;

お客様と面談しながら収支計画を作成するのですが、金融機関では作られた計画にストレス(掛目)をかけて、仮に計画通りに進まなかったとしても耐えれるのか、どのくらいの売上で黒字になるかを見ています。
(実際は、計画通りに進まないことが多いです)

想定した客数を本当に確保できるのか?
必要以上に金融機関にストレスをかけられ、事業が成り立たないと思われても嫌だなと思い、通行量調査を行いました。

今回は、テナントビルの1区画への出店になります。

調査したのは、テナントビル前を通る通行人がどのくらいか、テナントビルに訪れた人はどのくらいか、対象店舗に訪れる人はどのくらいかの3点です。

もちろんその他にも年代や性別など、何か特異な点がないかといったことも調査に加えます。

ちなみに店舗オーナーと協力関係があり、データを把握できれば手っ取り早いです笑

ただ、だいぶアナログな方法なんですが、やってみると意外な発見があるんですね。

まず、テナントビルに飲み屋が多数入っているので、夜遅い時間になるとタクシーでテナントビルに訪れるお客さんが多いこと。

1次会として、創業予定者の店舗(居酒屋)を使ってもらうことで、ビル全体としての相乗効果が発揮できないかと思いました。
(ビル入居者店舗間での移動に割引券を活用など)

そして早い時間は、家族連れの来店客が多いこと。

ターゲットに設定していたのは、40代・仕事終わりのサラリーマンとその部下といった感じで考えていたので、そういったコンセプトのお店(大衆居酒屋的な)にしてしまうと、今来店されているファミリー層が離れるのではと考えました。

ちなみに設定していた客数は、概ね想定通りでした。

こうなると、例え融資担当者に「この人数のお客さん集まりますか?」と聞かれても、自信もって回答できますよね(^_^)

なんなら、「あなたは実際に見たのですか?」とも言えます笑

調査期間は2日間(平日と週末の営業時間内)だったので、必ずしも正確ではないかもしれませんが、戦略を考える上でこういった視点は重要になります。

また近隣の飲食店を調べた中でも、創業予定者が希望する海鮮ジャンルのお店は競合が少なかったので、差別化できるということを強みとして計画書に加えました。

下図は実際に使った調査資料です。

まとめ

「こんなことまでするの!?」と感じた人もいるかもしれませんね。

私自身、全ての相談に関してここまでやっているわけではありませんし、こういった調査をやらなくても融資が通ることは全然あります。

金融機関の融資担当者が事業内容をきちんと理解できるよう、分かりやすい資料を作成することが、早期に融資承諾を貰うコツです。

実際には紙1枚に簡単な売上計画、見積書だけ持ってきて融資相談に訪れる人も多いです。

その裏で金融機関の担当者が、市場調査や収支計画の妥当性などを検証しているので、その点がきちんとまとめられている資料だと心証も良くなりますよね(^_^)

このような形で、当事務所では事業計画書作成をサポートしています。

代表者がこういった調査を一人でやるのも大変だと思います。困ったときには、いつでもご相談ください<m(__)m>

金融機関へ一緒に行って、説明をお手伝いします♪

 

 

おしまい

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